日本ではある分野を真剣に勉強することは有害である。なぜなら、日本全体が真理、真実、正義で動いていないため、学問の蘊奥を究めても何の役にも立たないからだ。学問をある程度究めた人は気づくだろう。なるほど自分の中では満足した。しかしこれが世間でなんになるのだろうか。そう思った瞬間、真っ暗になる。実は何の役にも立たないのである。日本は馴れ合いと金の論理で動いているから、よく馴れ合えて、金の亡者になるのが勝つことにつながる。

日本での理想的な勉強は、試験を攻略する限りにおいて勉強するやり方だ。試験に受かればそれでよし、終わったら忘れる、これが日本で奨励されているやり方だ。だから、ある法律の理念に感動して懸命に記憶したとか、法律の論理を念入りに点検したとか、数学の微分積分を厳密な証明にさかのぼって習得したとか、そういうことが有効でない。法律は出るところの暗記がすべてであり、数学は工学に役立つ限りで学ぶ。厳密数学など何の役にも立たない。