世の中で起こる現象は何から出ているのか

この社会で起こる事象は、政官財主導利益至上主義経済というイデオロギーからすべての結論が出ている。法的議論はそれをお話として仕立て上げるだけ。これが世の中を支配する根本原理。民法にしろ刑法にしろ、このイデオロギーの結論に合致する解釈しかしない。法律だけではなく、マスコミ発の情報も同じ原理でできている。日本の情報とはいわば消費刺激の当てこすりの体系である。実質消費刺激のために流しているが、いつでも言い訳できるようにうまく作られてある。これは情報体系の作成に法律学を利用しているからである。

民法や刑法の判例を見て、法教義学的に不自然な解釈があったらそれは間違いなく利益至上主義が影響している。基準が立てられるのになぜ故意に立てないのか、なぜ刑法の因果関係論は条件説などという不当な論理にとどまっているのか、なぜ条文の文言を逸脱した解釈や、条文にない形式を無理矢理創設するのか。検察の起訴裁量権はなぜほとんど無制限なのか。明らかに論理違反の憲法判断がなぜ出るのか(憲法判例のほとんどはこうしたもの。麹町中学事件しかり三菱樹脂事件しかり東大ポポロ事件しかり)。